dlitの殴り書き

現在更新していません。もうひとつのブログ(https://dlit.hatenadiary.com/)を見てみてください

「待遇が悪ければ移れば良い」


 たとえば日本の研究環境の悪さの話題なんかではよく「そんなら海外の大学行けば(その実力があるならね)」みたいなことを言う人が出てくるし、そんなに珍しくない意見かと。
 確かに、状況によっては、あるいは人によっては移った方が良いという場合もあるんだろう。
 でもこれって「そんなにブラック企業がつらいなら転職すれば」と言うのと同じぐらいきつい言い方なんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょうね(こちらも当然その通りだというなら一貫している)。ちょっと比較対象の選び方が乱暴すぎるかな。
 教員ていうのは院生を指導していれば数年単位で責任が発生するし、研究室や研究グループ・プロジェクトの中核を担っていたりで、そんなほいほい移れない事情も色々あると思う。あとその大学や学生に愛着があるとかっていう理由で移籍を検討しないっていう場合だってあるかも。
 そうやって色々天秤にかけて「移らない」場合に「自分で選んだんだから多少のことは我慢しろ」っていうのは程度問題という側面はあるにしろちょっと危険な考え方に思える。現状の環境を改善するように努力するのも大事なのでは(もちろんやり方が間違ってはまずい)。
 「もっと悪い環境で頑張ってる人もいる」っていう意見もたまに聞くけど、それはそちら“も”改善すべきという話にもっていくのが筋かなと。理想論すぎるかな。
 これはもしかしたら特定の人物を頭に思い浮かべながらの発言なのかもしれないけど、こういう発言見るとちょっと気になっちゃいますね。てめーは教員だからそう思うんだよって言われちゃうかな。