dlitの殴り書き

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(全米オープン決勝前に)錦織圭選手のプレースタイルについて少しだけ


 なんとなく決勝前に書いておこうかと。
 一応、少なくとも学生時代(小学校高学年~大学)の生活の3分の1はテニスに捧げてきて(全然強くありませんでしたけどね)、鈴木貴男本戦上がれるかなあ、とか応援していた身としてはなんというか、まだあまり現実感がないような展開ですね。そのうち行くだろうなという期待はありつつ、今大会では怪我のこともあったのでなおさら。
 僕自身あまり強くありませんでしたし、最近は観戦時間も減ってしまいましたし、テニスの技術や戦略もここ10年ぐらいは追っかけなくなってしまいましたので、以下は素人の戯れ言として。
 錦織選手のすごさはもちろん色々なところにあると思うのですが、その中でも「展開する力*1」「色々な状況からポイントを取る力*2」があるそうです。「あるそうです」と書いたのは、僕が自分で気付いたからではなくて、テニスをやっている人・テニスに携わっている人たちから聞いた話だからです。
 確かに、錦織選手の試合を見ていると、ナダルジョコビッチといった、「そんなの取れるのかよ!」っていう球に追い付いてとんでもないカウンターを打ってくるプレーヤーが(ほとんど動けずに)あっさりとウィナーを取られたり、あまりしそうにないミスしたりっていう場面をけっこう見ますね。トッププレーヤーが錦織選手の攻撃力をほめるコメントをすることがありますが、その辺りのことも含めた総合的な話なのかなと思います。もちろん、最近の快進撃の元には、サーブやバックハンドが(より)安定した&力強くなったことや、フィジカル面での強化など色んなポイントがあるのだと思いますけれど、それによって、上で書いた「攻撃力」をさらに生かせるようになってきたということもあるのかな、と。
 ビッグ4(フェデラーナダルジョコビッチ、マレー)の「(どちらかというとストロークを主体にした)高いレベルでのオールラウンドプレー+何らかの武器」に挑んでいる若い・新しい世代の特徴として、ビッグサーバー、高いフィジカルからの強力な一撃(ストローク)というのがあるように感じています。面白い事に、かつてフットワークとカウンターにやられて、高いレベルではだんだん勝てなくなっていったスタイルが、一部復権をとげつつあるのかな、と。もちろん現代の選手はサーブが武器と言ってもストロークなどの技術も戦略・戦術もすごくて、やっぱり「オールラウンド」な感じがしますけど、今後のテニスは速いサーブを打つだけの競技になっていって面白くなくなる、みたいに言われていたような時代を経験した身としては面白いです。
 そんな中で、体格がすごいわけでもなく、パワフルなサーブやショットで押し切るわけでもない錦織選手が、早い展開でさくっとポイントを取ったり、粘りつつ苦しい状況を展開によって逆転したりといったプレーで、ビッグ4や新しい世代のビッグサーバーを倒していくのは、ホント面白いですね。
 ビッグ4が出てきた時も、「テニスってこんなことができる競技だったんだ」って驚かされどおしでしたけれど、色んなプレースタイルがぶつかることで、また新しいテニスが見られるのではないかと思うとわくわくします。
 決勝も、良い試合になりますように。

*1:そういえば、いつからか「コートのどこに打つか」のことを日本語でも「プレースメント」って言うようになりましたね。最近もまだ解説とかで使われてるかな?

*2:「エアケイ」もタイミング、打点、打球の角度の幅を広げる側面がありそうですし。