dlitの殴り書き

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国語教育とライティング教育の最近の動向についての印象




 高校の国語の教科書を見ていても、言語技術に関する項目・分量はかなり増えたなという印象がある。

※追記(2014/09/24)

指導要領が「話すこと・聞くこと」を重視するように変化したという趣旨の説明が『中学校若手国語教師の指導テキスト』(明治図書)にあって、話し言葉優先にシフトしたのかと思っていた。
はてなブックマーク - machida77のブックマーク / 2014年9月24日

各項目の細かなところは覚えていないのだけれど、確かに言語技術といっても、話し言葉に関する部分が結構多かったかもしれない。確認する必要があるけれど、そうであるなら、下記にあるようにライティングに関する教育経験を持つ学生がまだそれほど多くないということとも整合する。

大学の学部一年生にこれまでのライティング教育の経験をきいてみると、僕が授業ですすめるようなライティング関係の本をすでに学校で読んだという学生もいるし、中には本格的なレポートの作成経験がある者もいる。実際、知り合いの国語教員で、ライティング教育に力を入れているとか、学校単位でそういう取り組みをしているという話も聞く。
 ただ、それが全体でどれぐらいの割合に達しているかというと、まだこれから、というところがあるのかもしれない*1。上で書いたような学生が30人のクラス中で10人を超えたことはまだ無い(忘れているという可能性もあるかもだけど)。教育に何をどれだけ入れるのかというのは難しい問題だと思うけれど、期待しています。
 個人的に感じている問題は、下記のエントリでもおまけとして書いたのだけれど、

そもそも日本語の文章作成法(特にアカデミック/テクニカルライティング)があまり固まって(明示的に体系化されて)おらず、英語のライティング技術で補っているところが多いのではないかという点。もちろん、良い点はばんばん採り入れて良いと思う。ただ、大学や私立の学校ではそういうことにもどんどんチャレンジできるけど、公立の学校ではなかなかそこまで思い切れないのかもしれない。
 英語のライティング技術・教育がこれほど整備されている要因には、非ネイティブにとっても必要性が高いとか色々な要因があると思うので、日本語に同じ水準を要求するのは難しいかもしれないけれど、今後整備が進めば良いなと思う。たとえば、大学で使用されているアカデミックライティング/スキルの教科書もかなり増えたと思うのだけれど、そこでどんな項目が扱われているか、どのような傾向があるか調べるとか。そろそろそういうまとめもできる時期に来ているような気がする。誰か…
 僕は国語教育が専門ではないので、webでも専門の方から生の情報発信がされると良いなと思うのだけれど、(国語教育なんか特に)「少数者が矢面に立って疲れちゃう」問題(下記エントリ参照)があると思うので、あまり強くも要請できなくて悩ましいところ。

*1:たとえば、教科書には載っているけれど、既存の項目に比べたらまだ指導法や指導書が充実していなくて、授業のスケジュールが遅れている場合にスキップされるというような可能性もありそう。