dlitの殴り書き

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引用で「」(一重カギカッコ)の中の「」をどう書くか、と提出されたものから反省すること

 昨日下記のように引用の際のカギカッコの埋め込みについてつぶやいたら、いくつか情報をいただいたので、少し調べたことをメモしておく。




 ちなみにきちんとした調査ではなく、適当に手元にある資料から抜粋している。今のところ、調べた範囲では外側のカギカッコを二重にするという情報は見つかっていない。

どう記述されているか

 まず、一般的なところから。

5 「 」は、会話または語句を引用するとき、あるいは特に注意を喚起する語句をさしはさむ場合に用いる。
(中略)
6 『 』は、「 」の中にさらに語句を引用する場合に用いる。
尚学図書(編) (2008)『新しい国語の表記 第2版』*1: 200)

次に、レポート・論文作成に関する本から。

○引用した文章は一重カギ括弧(「 」)で囲みます。 
○引用中の引用や括弧つきの文は二重カギ括弧(『 』)で囲みます。
河野哲也 (2008)『レポート・論文の書き方入門』*2: 75)

 また、次のツイートにあるように、さらに深い埋め込みがあった場合についても言及を見つけた。

『 』を使う部分
a. 「 」の中に会話や引用を入れる場合に用いる。『 』の中にさらに語句を入れる場合は、ダブルミュート、あるいは“ ”(ダブルコーテーション)を用いる。
(小笠原喜康 (2002)『大学生のためのレポート・論文術』*3: 40、一部改変)

 上記ツイートにあるように、専門的/学術的な文章では多重埋め込みも避けがたい場合があり、表記を変えるよりは一重カギカッコを繰り返す方法でも良いのではないかと個人的には思う。ただ、これは僕の分野ではそれが比較的許容されているから感じることなのかもしれない(日本語研究では表現や語句を一重カギカッコでくくる表記法があるので、多重埋め込みが比較的起こりやすい)。
 個人的には、二重カギカッコは書名専用にしてしまった方が分かりやすいのではないかと感じる。ただ、これも分野や文書の正確性格によるのかもしれない。

カギカッコ(「 」)は短い引用や発言に使います。二重カギカッコ(『 』)は書名に使います。
結城浩 (2013)『数学文章作法 基礎編』*4: 34)

課題やレポートで自分の意図しないものが出てきた時にどう考えるか

 以前は授業でやったことと違うことが出てくると「やれやれ」「まったく」のように思うこともあったのだけれど、最近は「授業(のやり方)に何か問題があったのでは」と考えるようになってきた。受講生に話を聞いてみると、単純なミスに見えるようなものにも、意外な要因があったりするからだ(もちろん、単に忘れていたというようなこともある)。
 上のついったーでのやりとりの際も少しついーとしたのだけれど、もしかしたら授業でやっている「引用の際は元の表現を勝手に変えてはいけない」というところを厳密に適用した結果、外のカギカッコを変えてしまったということもあるのかもしれない(ただ、授業では手を加えることもあること、カギカッコもその一種であること、その際にどう書くか、ということについてもやってはいる)。
 該当回の授業内課題ではそれほど問題ないのに期末レポートでやや目立つということもあるので、課題の設定方法や定着度に問題があるのかも、と考えたり。今後も機会を見て受講生の意見も聞いてみようと思う。

*1:

新しい国語の表記

新しい国語の表記

*2:

レポート・論文の書き方入門

レポート・論文の書き方入門

*3:

大学生のためのレポート・論文術 (講談社現代新書)

大学生のためのレポート・論文術 (講談社現代新書)

*4:

数学文章作法 基礎編 (ちくま学芸文庫)

数学文章作法 基礎編 (ちくま学芸文庫)