よくある話題で、しかも英語の話で体験談レベルとなるとそれこそ巷にあふれている話だと思いますが。留学するだけで英語が上達するか、っていう話について体験談をちょっとだけ(下記のツイートに触発されました)。
僕が大学に入学したころはここまで英語英語の一辺倒ではなかった。日本人はすでに世界で活躍していたが英語以外の言語も重要だったし、外国語が出来ないまま通訳使って大きなビジネスを成功している。理系でも、逆に建築学科や土木工学科なんか論文は日本語ばかりだ。地震国では世界一の水準だから。
— オッカム (@oxomckoe) January 21, 2015
日本の国力の大幅な後退が、英語英語英語の日本にしてしまったのだろう。実際世界中でビジネスを展開していれば英語が通じない場所はいくらでもあるはず。現行の英語圧力は縮小する国力に合わせたものなんだろう。グローバル化ということばと反対の状況を象徴しているのが英語なんだろう。
— オッカム (@oxomckoe) January 21, 2015
スーパーグローバル関連で卒業要件に一定期間の留学を課している大学がある。しかしこれは最悪でしょう。留学と言うのは一人で行かないと効果ないよ。学生が大量に留学に行けば、出先で「日本人村」ができる。慶應NY高校みたいなもので言葉なんか身につかない。卒業要件に留学いれるのはナンセンス。
— オッカム (@oxomckoe) January 21, 2015
大学が卒業要件に留学を課すのは、留学の効用としては最悪のものなんだよ。真逆と言ってよい。NHKの外国語講座より学習効果は低い。にも関わらず留学を卒業要件にするのは、学習効果ではなく、文科省や政財界へのアピールのためということだろう。
— オッカム (@oxomckoe) January 21, 2015
そもそも大学で「英語力」を問題にするのが恥ずかしい。英語で読むのが効率良ければ英語で読めばよいし、テーマの性質から言って英語で書いた方が良ければ英語で書けばよい。大学院に行けば好き嫌いの問題ではなく、必要な外国語は、語学の問題ではなく、研究の必要性から読んで書く。
— オッカム (@oxomckoe) January 21, 2015
日本の大学院に在籍中(2007-2008の期間)、1年弱ぐらいvisiting scholarとしてアメリカの大学院にお邪魔していました。
行っている期間はけっこう留学生活にやられているところもあったりして(その歳で初海外だったんで(短期の旅行も一切なし))、ブログ読むと全然触れてないんですよね。かろうじて下記の記事ぐらい。今思うと記録してないのはもったいない気がしますが…
で、どこにいたかというと最初少しだけボストンにいて、その後はずっとAmherstという街にいたんですけど、「あ、これ色々工夫したら英語全然話せないでも生活はできるなー」ということを強く実感しました。買い物の時とか、全然しゃべらないでもなんとかなりますもんね。
一方、実際には英語は行くことを計画し始めた頃よりだいぶよくなったと思います。それはなぜかというと、下記のようなタスクをこなしたからでした。
- 奨学金で定められたTOEFLのスコアをクリア
- 受け入れ先大学の研究者・事務との交渉・連絡
- 推薦書の下書き等、各種英文文書の作成
- ビザを始め、渡米・滞在に関する情報収集(ビザは最初学生ビザで途中で研究(者)ビザに切り替えたのでややこしかった)
- 授業(内の議論)についていくための勉強、研究会・学会等各種イベントでのやりとり
そもそも院に入っても最初の頃は留学なんてほとんど現実的なものとしては考えてなかったので、自分の英語力のなさには苦労しました。今でも苦労してますけど…
個人的に留学して良かったのは、「とにかく下手でもアウトプットしないとどうにも始まらない」という環境に常に身を置けたことでした。あと、色んなタイプの英語に実際に接することができたのもよかったですかね。
ちなみに留学中に一番難しかった(ものとして印象にのこ合っている)タスクは「電話でデリバリーピザの注文」でした。ちゃんと届いた時は感動しましたね。あとコーヒーを買う時とかエレベーターで乗り合わせた時の「ちょっと一言」的なやりとりも難しかった。長い会話や議論なら言い直したり聞き返したりができるんですけど。
さて、だいぶ関係ない話ばかりしてしまいましたが、僕が「留学で英語はうまくなるか」という問題設定に対して答えるなら*1、「留学するだけでは英語はうまくならないけど、留学というプロセスの中に、英語(+関連知識・技術)をのばす機会やきっかけが色々潜んでいる」という感じでしょうか。それをふまえて、自分の経済的事情との相談ですね。ありきたりですみません。
あと、行く地域や期間・形態、言語によっても色々違うんだと思います。
*1:この問題設定自体がミスリーディング、という言い方もあるかもしれません。