dlitの殴り書き

現在更新していません。もうひとつのブログ(https://dlit.hatenadiary.com/)を見てみてください

kindleの光文社セールで石黒圭『文章は接続詞で決まる』が半額なので買おう(1/4まで)

 id:pollyannaさんのはてブで知ったのですが,Amazonkindleストアで『50%OFF』 光文社キャンペーンが開催中です。1/4日(木)23:59まで。
https://www.amazon.co.jp/b/ref=tsm_1_tw_s_ajpk_cwedmp?ie=UTF8&node=5396917051www.amazon.co.jp
 大学で日本語ライティング系の授業を担当しているものとして,おすすめはなんといっても石黒圭『文章は接続詞で決まる』です。

文章は接続詞で決まる (光文社新書)

文章は接続詞で決まる (光文社新書)

授業での推薦書リストにも入れています。
d.hatena.ne.jp
現代日本語の接続詞がかなり網羅されていて辞書的に使えますし,接続詞の多用のような実践的な問題についても具体的な解説があります。
 この内容が新書の値段で手に入るということ自体ありがたかったのですが,さらに半額とは…kindle版は持っていなかったのでもちろんすぐ買いました。
 ちなみに石黒圭氏は日本語学の,特に文章研究を中心に活躍されている研究者です(私の紹介なんて本来は必要ないのですが…)。

そのほか

 石黒圭氏はほかにも光文社新書から何冊か出ています。日本語ライティング関係ではさいきん出た

語彙力を鍛える?量と質を高めるトレーニング? (光文社新書)

語彙力を鍛える?量と質を高めるトレーニング? (光文社新書)

が気になっていたので購入。というかほかの著書も全部買いました。
日本語は「空気」が決める?社会言語学入門? (光文社新書)

日本語は「空気」が決める?社会言語学入門? (光文社新書)

は刊行の際にも話題になっていたような気がします。

おわりに

 セール対象の光文社新書をざっと見てみたのですが,かなりあやしげなものもありますね…他の分野・トピックについてもおすすめがあればどなたか専門の方が推薦記事書いてくれないでしょうか。

2017年度のおしごと一覧(国立大学法人,人文系助教,38歳)

はじめに

 むしゃくしゃしてやった(通勤のつくばエクスプレス内で執筆)。
 ついったーなどの存在もあって大学教員って思ったより忙しそうという印象を持っている人もそこそこいるのではと思いますが,それでもなかなか具体的なイメージを持つのは難しいと思いますので(というか私自身「仕事少なくて良いよね」みたいなこと言われる),私の2017年度の研究以外の仕事*1を一覧にしてみました。もともとのデータは毎年度ある教員の自己評価のためにメモしてあるので,ほぼそれを整理しただけです(忘れているものを後で追加するかもしれません)。
 先に書いておくと,大学教員の仕事は大学,所属や分野によってさまざまなので,あくまでも一例としてお考えください。それほど多くの人の話を聞いたわけではないのですが,これより仕事の数・量が多い大学教員はたぶんたくさんいます(特に職階が上がっていくと…)。
 並べ方は悩んだのですが,関連する組織ごとにまとめました。また筑波大学学群・学類制を取っているので分かりにくいかもしれませんが,ざっくりした印象としては学部・学科で置き換えてほぼ問題ないかと思います。

一覧

  • グローバルコミュニケーション教育センター(言語教育に関する組織)国語部門
    • 授業:レポートの書き方など,学部生に対する日本語リテラシー系の授業(受講生数は平均で40前後)
      • 国語I(各10週)
        • 必修:医学類,看護学類,体育専門学群,人文学類対象
        • 自由科目:全学対象(どの所属の学生も履修できる)
      • 国語II(各10週)
        • 必修:体育専門学群,人文学類対象
        • 自由科目:全学対象(どの所属の学生も履修できる)
      • 国語III(各10週)
        • 必修:人文学類対象
          • 図書館講習が含まれているため附属図書館との連絡・調整・打ち合わせ
          • TAに対する説明会の開催
          • レポート集の作成
    • TAのコーディネーター
      • TAの募集・配置の調整・統括
      • 院生の所属組織ごとに申請書類作成等の手続き
      • 予算管理
    • webサイトのコンテンツの管理・更新
    • 定例会議,運営委員会への参加
  • 人文・文化学群 人文学類 言語学主専攻 応用言語学コース
    • 授業
      • 応用言語学講義IV(15週+15週,演習と隔年開講)
      • 応用言語学演習IV(15週+15週,講義と隔年開講)
      • 応用言語学概論(15週+15週のうち4週を担当)
      • 総合科目「言語と社会」(2コマ続き×5週のうち1回を担当)
    • 卒業論文指導(主指導2名,副指導3名)
      • ゼミは基本的に週1回開催,主指導学生のみ参加
      • 構想発表会,中間発表会,最終発表会への参加
    • 教育課程委員(いわゆる「教務委員」,FD委員を兼務)
      • 教育課程委員会(月1回)
      • カリキュラムに関する書類作成,編集およびそれに伴って発生するコース所属教員への連絡,意見・情報の収集ととりまとめ
        • 科目編成
        • 電子シラバスへの科目登録,編集
        • 英語教職関係の業務(コース所属の担当教員が英語教職に関わっているため):教科に関する科目の調整,(再)過程認定の書類の取りまとめ等
        • 履修の手引,学類案内等の原稿の確認・提出
      • 新入生オリエンテーションにおけるコース説明
      • 専攻説明会(1, 2年生対象)におけるコース説明
      • 非常勤講師の世話人
      • コース所属学生の卒業論文の受け取り,教員間での回覧とりまとめ
      • 授業の履修に関する学生の相談対応(基本的にはクラス担任,指導教員,事務が対応するが,「コースのカリキュラムに詳しい教員に聞いて」という流れになることがある)
    • スポーツデー委員
    • 定例会議への参加
  • 人文社会学研究科 文芸・言語専攻(一貫制博士課程)
    • 授業:なし
    • 図書委員(今年度は副委員長なので委員長に業務は任せきり,昨年度のレクリエーション委員はたいへんでした…)
    • 定例会議への参加
  • 教育研究科(修士課程) 教科教育専攻 国語教育コース
    • 授業
      • 日本語学特講(15週+15週)
    • 2017年度入学学生学年担任
      • 修士論文執筆までの各種業務を担当(研究テーマ,希望指導教員等の情報のとりまとめ,各発表回への参加)
      • 主に研究に関する学生の相談対応
    • 修士論文指導(主指導1名,副指導1名)
      • ゼミは基本的に週1回開催,主指導学生のみ参加
      • 構想発表会,中間発表会,最終発表会への参加
    • 定例会議への参加
  • 日本語学会編集委員
    • 査読は担当せず,年4回刊行の学会誌に掲載するいくつかの原稿の作成
    • 編集委員会への参加
  • 日本語文法学会第18会大会会場校教員
    • 機器(プロジェクターやマイク等)担当
      • 大会までの関係機器,各教室のチェック
      • 当日の機器,教室のチェック,トラブル対応(マイクのトラブルが頻発してかけずり回ってました。)

おわりに

 どうでしょうか。こんな仕事もあるんだねえってのがありませんでしたか。
 これに研究そのものと,研究に関する業務(科研費等申請書の作成,研究費の管理・執行,何らかの研究プロジェクトに参加していれば,連絡・打ち合わせ,…)も加わります。
 また,ここでは毎年度ほぼ必ずやる仕事だけ書きましたが,突然臨時の仕事が入ってくることもあります。非常勤講師とかはやめればいいじゃんという話もあるのですが,奨学金という名前の借金の返済がですね…
 個々の仕事の内容について詳しくは書きませんでしたが,ライティングの授業のたいへんさなんかについて具体的にはたとえば下記の記事等ご参照下さい。
d.hatena.ne.jp
 こういう話題では,大学あるいは個人が業務の効率化等の改善をしないのが悪いというような話が出てきて,私自身も改善の必要性を強く感じるのですが,「改善」てある程度余裕がないとできないみたいなところありませんか。

関連するかもしれない過去の記事

dlit.hatenablog.com
dlit.hatenablog.com

*1:授業や学位論文指導は研究にも関係してきますので単純に切り分けられないところもあるのですが。

2017年に買ったもの:iPad Pro 10.5インチ

はじめに

 似たようなタイトルの記事たくさんありそう。
 ちなみに私がこういう記事を書く場合,だいたいシリーズとしては続きません。
 たまにはこういうブログっぽい?記事もいいだろうということで。
 この記事ではざっと概要を書きますが,気が向いたらアプリなどのレビューも考えています。Apple製品て言及する人が多いからか検索でさっと良いレビューを探すのが難しくて…

何を買ったか

 発売直後ぐらいにiPad Pro 10.5インチ(cellularモデル,シルバー)を購入。ちょうどiPad mini 4の次はiPad Proにしようかなと考えていたところだったので,新しいモデルが出たのが良いきっかけになりました。

Apple PencilとかSmart Keyboardは?

 Apple PencilもSmart Keyboardも同時に購入しました。
 購入の動機として「研究や仕事の手書きメモをタブレットバイスで直接できないか」というところが大きかったので,Apple Pencilの購入は必須でした。詳しくは次に書きますが,この点は満足しています。
 Smart KeyboardはサブマシンぐらいでいいからPCの代わりにならないかなあと思って購入したのですが,結果的には難しく,今は使っていません。この点についても後述します。

(手書きを)何に使っているの?

授業

 実は一番期待していなかったのがこの用途なのですが,一番活躍しているかもしれません。
 スライドや資料をプロジェクターで映す場合にもPCを開くより手軽にできますし,私の授業だと,例文や文章が書かれたファイルを映し,そこに解説や添削,分析案等を書き込みながら授業進行ができるというのが一番便利です。
 特に長い文章だと板書してからそこに書き込んでいくの,大変だったのですよね。黒板より色も豊富ですし。

論文や書類を読む

 私はあまり論文自身に細かく書き込みをするタイプではないので,論文を読むことに関しては,手書きの恩恵はそれほど受けていません。
 PCの方でDropboxに専用フォルダを作り,まるごと同期できるのが便利(読むたびにファイルを指定してダウンロードしなくて良い)なので,iPad miniの頃からGoodReaderを使っています。

GoodReader - PDF Reader, Annotator and File Manager

GoodReader - PDF Reader, Annotator and File Manager

  • Good.iWare, Inc.
  • 仕事効率化
  • ¥600
 すぐに閲覧したい仕事の文書ファイル等もとりあえずここに入れておきます。

研究や仕事のメモ(手書きが多めの場合)

 言語学の研究なんてやっていると,よほどフォントや辞書が整備された環境でない限り,メモは手書きの方が早いということも多いです。あと私は生成文法が専門ということもあって,研究メモで樹形図を書くことが多いので,やはり手書きが便利です(ブラケット(カッコ)で代替できるんですが,樹形図の方がなじみやすくて…)。
 手書きノートアプリはいろいろ試したんですが,今のところNotabilityに落ち着いています。

Notability

Notability

  • Ginger Labs
  • 仕事効率化
  • ¥1,200
私が見たところではMONOQLOの簡単な紹介ぐらいでしか触れられていなかったのですが,自分で打ったテキストに簡単に上から?手書きでメモできるという点で一番使いやすいです。手書きとテキストでレイヤーを別にするような処理をしているのでしょうか。
 Macの方のアプリでメモのベースになる情報だけタイプしたり書類やメモからコピーしておいて,そこに手書きでメモしていけるというのは思いのほか便利です。
 そのほかの気に入っている点としては

  1. 消しゴムが範囲を対象にしているのではなく操作の取り消しという感じなので,書いたものの一部を消すというのが簡単にできる:図形の一部を変更したり,テキストに付いている下線だけ消したりということがいつでもできる
  2. 長押しで直線がすぐ引ける:機能の切りかえのタップが一切必要なく,比較的きれいな図や表がかんたんに書ける(下線や樹形図を書くときに特に重宝しています)

などがあります。
 ネックは値段ですかねえ…今後どうなるか分かりませんが,iPad, Macそれぞれのアプリで1,000円以上するというのは,ハードルが高めかもしれません。私は満足しています。

研究や仕事のメモ(ファイルに書き込む場合)

 ベースになるファイルがあって,そこに書き込む用途がメインの場合は,GoodNotesを使っています。

GoodNotes 4

GoodNotes 4

  • Time Base Technology Limited
  • 仕事効率化
  • ¥960
pdfだけでなく,doc(x)ファイルも読み込めるのがいいですね。
 このアプリでdoc(x)ファイルを読み込むとWordのコメント機能で付けたコメントは表示されないのですが,それがかえって便利だったりします(授業で使う資料はコメントで解説や情報を付けて作り,授業をやる場合にはそのファイルをそのまま開いて解説等を手書きで書き込んでいける)。

PCの代わりになる?

 私の環境というか用途では,サブマシンとしてもPCの代わりにするのは厳しいというのが今のところの結論です。
 たしかに,iOS11以降,PCのように使える可能性は高まったと思うのですが,日本語を対象にした研究などやっているせいか,iPadの文章入力環境はかなり厳しいのです。
 具体的には,外付けキーボードではATOKATOK Syncが使えないのが痛いです(ソフトキーボードでは使えます)。デバイスをすべてApple製品で統一できれば,iCloudの辞書同期でかなりのところまで代替できるのかもしれませんが…今のところ主力デバイスからWIndows機も外せないので。
 Smart Keyboardの他にもいくつか試しましたが,そもそもあまりキーボードの種類の問題ではないので,現時点では難しいですね。

 たとえば,英語でテキストを打つのがメインの方や,テキスト入力があまり主要な作業はない方にとっては,かなりのことができるデバイスなのかもしれません。

ケース・カバーは?

 Smart Keyboardは数ヶ月使ったのですが,上に書いたように外付けキーボードを使わなくなったことと,閲覧用途の時に重すぎるという理由で使わなくなりました
 今は純正のSmart Coverと下記のケースの組み合わせで使っています。

もともとは中国出張の際の保護用で買ったのですが,Apple Pencilの収納が思ったより便利で付けたままになっています。ただやっぱり外した方が軽い…
 さいきんサブマシンの一番手として持ち歩いているMacBookと一緒に,下記のケースに入れて持ち歩いています。私が使っているのは13インチのブルーで,もともとはMacBook Air 13インチの持ち運び用に買ったものです。
 MacBook用のケースはどれも薄く出来ているので,iPadも一緒に持ち歩くにはこのように少し大きめのケースの方が使いやすい気がします。

cellularモデルはどう?

 iPadはずっとWi-Fiモデルを使っていたので,次はcellularにと思っていたのですが,やはり便利です。私の用途だと,短時間でいいけどいろんな環境ですぐにネットにつなぎたい(使用容量は多くなくてよい)ということが多いので,相性がいいのかもしれません。
 スマホはずっとAndroidなので今回はじめて使っているのですが,MacBookで使う場合のテザリング(インターネット共有)がほんと便利です。スマホタブレットの方をまったく操作せずにテザリングがオンオフできるのがこんなに楽とは…

ひとまずおわりに

 なんかかなり長くなってしまったので,この辺りでひとまずおわりにしておきたいと思います。
 授業や研究での使い方や,アプリなど,また機会があったら改めて書こうと思います。