dlitの殴り書き

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気になるタイトル(5): 「根拠なきワクチン批判で救える命を見殺しにしないで」

はじめに

 下記の記事は子宮頸がんの原因となるHPVワクチンに対する適切な理解と適切な報道を訴えている解説記事である。記事の最後に付記という形であるが利益相反についても記述があり,好感を持った。
www.buzzfeed.com
 内容についてここで何か言及したいというわけではなく,タイトルが気になったので少しメモしておく。

かかり先の違い

 「根拠なきワクチン批判で救える命を見殺しにしないで」というタイトルは「根拠なきワクチン批判で」が「救う」にかかる(修飾する)か「見殺しにする」にかかる(修飾する)かの解釈の違いで正反対と言って良いほど意味が変わってしまうのではないか。

  • 「根拠なきワクチン批判で」が
    • 解釈1「救う」にかかる:「根拠なきワクチン批判」で(も)救える命があるのに無視しないでほしい
    • 解釈2「見殺しにする」にかかる:救える命があるのに「根拠なきワクチン批判」によって見殺しにしてしまうことはやめてほしい

記事を読めばすぐ分かるが,意図している解釈は2である。

じゃあどう書くか

 では両者の解釈が平等になされるかというと,前提となる知識の影響の方が大きそうな気もするが,「根拠なき」というネガティブな評価の修飾表現が解釈2への誘導として働くのではないかと思う。
 タイトルの意図を分かりやすくするには,たとえば読点を打って「根拠なきワクチン批判で,救える命を見殺しにしないで」とするというのも考えられるが(音声言語ではここにポーズを入れることがやはり解釈の助けになる),やはり語順を変えて「救える命を根拠なきワクチン批判で見殺しにしないで」とするのが確実だろうか。
 ちなみに仮に解釈1を(元のタイトルをあまり変えずに)はっきりさせたい場合は「「根拠なきワクチン批判」で救える命を見殺しにしないで」とすると,「根拠なき」のネガティブ評価が引用扱いになってちょっと良くなるかな。
 どの場合も別のタイトルに書き換える方がもっと楽かつ確実かもしれませんけどね。

おわりに

 同シリーズの他の記事はカテゴリー「title」からどうぞ。今回は記事のタイトルを取り上げるタイトルそのものを引用する形にしてみました。

公共交通機関で席を譲る時は一回声をかけて断られたら引き下がるようにしている

 電車やバスで席を譲りたい、譲った方がいいかなとなった時に(どう)声をかけるかというのは難しい話だと思う。実際、私もかつて下記のような方針でできるだけ立っていようとしていたことがあった。
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 いろいろな体験を経て辿り着いたのは、すでにタイトルに書いてしまったが「一回声をかけて断られたら(少し待って)すぐ引き下がる」というものだ。
 中でも一番大きなきっかけはやはりこどもができてからの体験である。妊娠中の妻に付き添いに始まり、抱っこひもやベビーカーでこどもと一緒に公共交通機関を利用するようになって、いかに座ることを必要としている人が不自由な目に遭っているかというのを痛感した。
 以降、席は前より積極的に譲るようにしている(以前は躊躇して言い出せないとかもあった)。
 では、なぜ「一回で引き下がる」かというと、座る(+その後の立ち上がる)動作をするより、立っている方が楽という体験もしたからである。
 もともと、席を譲る以外の場面でも発生する、何回もお互いに遠慮し合うというようなやりとり自体が苦手ということもちょっと背景にある(1, 2回ぐらいならぜんぜんいいのだが)。
 私自身も断られる体験を多くしているので気持ちはわかるのだが、中には上記のように座る方が大変、ということもあるので、断られてもそれほど気を悪くしないでほしいと思う。ほんと申し訳ない。
 あと、ついでだがマタニティマークは見せつけるぐらい分かりやすく掲げてもらえる方が嬉しい。
 以上が私のここ数年子育てとか通勤生活を経てのやり方&勝手な希望で、こういうのが(も)許される環境になってほしいなと思うのだが、ついったーとかいろいろなところで目にするこの手の話題についての反応を見ると、いろいろ難しいのかもしれない。

DQネタはすでに授業でたとえとかに使うのが難しくなっている

 もちろん、DQ全盛期だってまったく関わりがなかった人はたくさんいたのだろうけれど、やはり「ゲームと言えば」「RPGと言えば」真っ先に上がるの当たり前だよね、という感覚はだいぶ少なくなっているのではないか。
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 大学で担当している授業では(私の)身近なものということでゲームやスポーツをたとえに出すことが時々あるのだが、数年前に非常勤講師を複数の大学でやっていた時に
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どうもDQネタに反応が薄いなと思って受講生に聞いてみたら経験者があまり多くなかったので、それ以降授業でDQネタはたとえなどには使わなくなっていった(特定のネタでは使っている)。ちなみにその時、「じゃあ今はどんなゲームだと多くの人に響くの」と聞いたら「ポケモン」「スマブラ」が圧倒的に多かった。どちらもやらないうちにゲームほぼ引退状態になってしまったのが残念。
 しかし先日下記の授業をやった際に
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「ゲームだと敵を倒せば必ず経験値がもらえるけれど、現実世界では残念ながらがんばってトレーニングしたはずなのに経験値が増えていないということがありうる(のでトレーニング方法に気をつける必要がある)」という話をしたあと「ゲームと言ってもイースシリーズとかは厳しいけどね」ってなんとなく付け加えたらわりと反応があったので希望はある(何の)。
 あとお互い「ドラクエやったことある」と言ってもどの作品かで学生とは違いがある。私は自分でやったのは1-7だけなので。

関連

 というわけで?下記のシリーズも引き続きよろしくお願いします(なんかたまに「授業で使いました」という報告を受ける)。いちおうまだネタはいくつかあるんのですが書くのに数年かかるかも。
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