dlitの殴り書き

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2017年度のおしごと一覧(国立大学法人,人文系助教,38歳)

はじめに

 むしゃくしゃしてやった(通勤のつくばエクスプレス内で執筆)。
 ついったーなどの存在もあって大学教員って思ったより忙しそうという印象を持っている人もそこそこいるのではと思いますが,それでもなかなか具体的なイメージを持つのは難しいと思いますので(というか私自身「仕事少なくて良いよね」みたいなこと言われる),私の2017年度の研究以外の仕事*1を一覧にしてみました。もともとのデータは毎年度ある教員の自己評価のためにメモしてあるので,ほぼそれを整理しただけです(忘れているものを後で追加するかもしれません)。
 先に書いておくと,大学教員の仕事は大学,所属や分野によってさまざまなので,あくまでも一例としてお考えください。それほど多くの人の話を聞いたわけではないのですが,これより仕事の数・量が多い大学教員はたぶんたくさんいます(特に職階が上がっていくと…)。
 並べ方は悩んだのですが,関連する組織ごとにまとめました。また筑波大学学群・学類制を取っているので分かりにくいかもしれませんが,ざっくりした印象としては学部・学科で置き換えてほぼ問題ないかと思います。

一覧

  • グローバルコミュニケーション教育センター(言語教育に関する組織)国語部門
    • 授業:レポートの書き方など,学部生に対する日本語リテラシー系の授業(受講生数は平均で40前後)
      • 国語I(各10週)
        • 必修:医学類,看護学類,体育専門学群,人文学類対象
        • 自由科目:全学対象(どの所属の学生も履修できる)
      • 国語II(各10週)
        • 必修:体育専門学群,人文学類対象
        • 自由科目:全学対象(どの所属の学生も履修できる)
      • 国語III(各10週)
        • 必修:人文学類対象
          • 図書館講習が含まれているため附属図書館との連絡・調整・打ち合わせ
          • TAに対する説明会の開催
          • レポート集の作成
    • TAのコーディネーター
      • TAの募集・配置の調整・統括
      • 院生の所属組織ごとに申請書類作成等の手続き
      • 予算管理
    • webサイトのコンテンツの管理・更新
    • 定例会議,運営委員会への参加
  • 人文・文化学群 人文学類 言語学主専攻 応用言語学コース
    • 授業
      • 応用言語学講義IV(15週+15週,演習と隔年開講)
      • 応用言語学演習IV(15週+15週,講義と隔年開講)
      • 応用言語学概論(15週+15週のうち4週を担当)
      • 総合科目「言語と社会」(2コマ続き×5週のうち1回を担当)
    • 卒業論文指導(主指導2名,副指導3名)
      • ゼミは基本的に週1回開催,主指導学生のみ参加
      • 構想発表会,中間発表会,最終発表会への参加
    • 教育課程委員(いわゆる「教務委員」,FD委員を兼務)
      • 教育課程委員会(月1回)
      • カリキュラムに関する書類作成,編集およびそれに伴って発生するコース所属教員への連絡,意見・情報の収集ととりまとめ
        • 科目編成
        • 電子シラバスへの科目登録,編集
        • 英語教職関係の業務(コース所属の担当教員が英語教職に関わっているため):教科に関する科目の調整,(再)過程認定の書類の取りまとめ等
        • 履修の手引,学類案内等の原稿の確認・提出
      • 新入生オリエンテーションにおけるコース説明
      • 専攻説明会(1, 2年生対象)におけるコース説明
      • 非常勤講師の世話人
      • コース所属学生の卒業論文の受け取り,教員間での回覧とりまとめ
      • 授業の履修に関する学生の相談対応(基本的にはクラス担任,指導教員,事務が対応するが,「コースのカリキュラムに詳しい教員に聞いて」という流れになることがある)
    • スポーツデー委員
    • 定例会議への参加
  • 人文社会学研究科 文芸・言語専攻(一貫制博士課程)
    • 授業:なし
    • 図書委員(今年度は副委員長なので委員長に業務は任せきり,昨年度のレクリエーション委員はたいへんでした…)
    • 定例会議への参加
  • 教育研究科(修士課程) 教科教育専攻 国語教育コース
    • 授業
      • 日本語学特講(15週+15週)
    • 2017年度入学学生学年担任
      • 修士論文執筆までの各種業務を担当(研究テーマ,希望指導教員等の情報のとりまとめ,各発表回への参加)
      • 主に研究に関する学生の相談対応
    • 修士論文指導(主指導1名,副指導1名)
      • ゼミは基本的に週1回開催,主指導学生のみ参加
      • 構想発表会,中間発表会,最終発表会への参加
    • 定例会議への参加
  • 日本語学会編集委員
    • 査読は担当せず,年4回刊行の学会誌に掲載するいくつかの原稿の作成
    • 編集委員会への参加
  • 日本語文法学会第18会大会会場校教員
    • 機器(プロジェクターやマイク等)担当
      • 大会までの関係機器,各教室のチェック
      • 当日の機器,教室のチェック,トラブル対応(マイクのトラブルが頻発してかけずり回ってました。)

おわりに

 どうでしょうか。こんな仕事もあるんだねえってのがありませんでしたか。
 これに研究そのものと,研究に関する業務(科研費等申請書の作成,研究費の管理・執行,何らかの研究プロジェクトに参加していれば,連絡・打ち合わせ,…)も加わります。
 また,ここでは毎年度ほぼ必ずやる仕事だけ書きましたが,突然臨時の仕事が入ってくることもあります。非常勤講師とかはやめればいいじゃんという話もあるのですが,奨学金という名前の借金の返済がですね…
 個々の仕事の内容について詳しくは書きませんでしたが,ライティングの授業のたいへんさなんかについて具体的にはたとえば下記の記事等ご参照下さい。
d.hatena.ne.jp
 こういう話題では,大学あるいは個人が業務の効率化等の改善をしないのが悪いというような話が出てきて,私自身も改善の必要性を強く感じるのですが,「改善」てある程度余裕がないとできないみたいなところありませんか。

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dlit.hatenablog.com
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*1:授業や学位論文指導は研究にも関係してきますので単純に切り分けられないところもあるのですが。