dlitの殴り書き

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大学の非常勤講師の待遇についていくつか

はじめに

 定期的に流れてくる話題で,定期的に反応しておこうと思います。
toyokeizai.net
 私自身,いわゆる専業非常勤の経験があり,現在はいわゆる専任教員です。
d.hatena.ne.jp
ちなみに,学部,修士,博士とフルで奨学ローンを借りましたのでまだ数百万レベルで返済が残っています。

反応が厳しい

 毎回このような話が出てくるたびに気になってしまうのが,「自身の選択(だから仕方ないの)では」といった形の厳しい反応です(強い表現では「自業自得」)。

 私はまだ助教で採用人事に深く関わるようなことがないのですが,採用人事には本当にさまざまな要因が絡むようですので,その結果(少なくともこの記事に出てきているぐらいの情報)を中心に「うまくやらなかったからだ」「優秀じゃないからでは」といった評価・判断を下されるのはあまりにも厳しすぎるのではないでしょうか。
 私自身に関して言うと,人文系で課程博士で博士号を出すことが推奨され,またその先例もある程度出てきているような時期に大学院生だったことは幸運だったと言うしかありません。

専任教員との対比

 個人的には,このような文脈で専任教員との対比は強調しすぎないようにした方が良いように思います。
dlit.hatenablog.com
 まず,このようなケースで紹介される「専任教員」の給与がトップ私立の教授レベルのものであることが多いように感じます(どうしても早稲田とか有名どころが話題になりやすいので,仕方ない側面もあるでしょうが)。
 よく指摘されるように(記事内でも少し触れられていますが)非常勤講師と専任教員では担当する業務内容がかなり異なることが多いので,きちんとした比較はそんなに簡単ではないでしょう。また,専任教員でも授業の担当数や担当する業務にはかなり違いがあるので,一概に「専任教員」ともくくれません。
 下記は,参考までに私の最近の業務内容です。
dlit.hatenablog.com
 ちなみに,だから非常勤講師の待遇が今のままでいいとは主張していませんし,思ってもいません。非常勤講師の待遇も専任教員の待遇も良くなるのがもちろん一番理想なのですが,体感としてはそんな希望は持てませんね…

非常勤講師の待遇が悪いのは確か

 数年間ですが専業非常勤を経験した身としては,やはり非常勤講師の待遇は厳しいとしか言えないと思います。これも授業内容によるので一概には言えませんが,授業準備や課題・レポートのチェック・採点に費やさなければならない時間を考えると,時給が高いとは言えないケースの方が多いのではないでしょうか。
 また,授業以外の業務を依頼されるケースも珍しくないようです。そんなの断れよって思うかもしれませんが,非常勤講師は基本的に1年ずつの更新ですし,公募等の状況が読めない中,来年仕事を失うかもしれないと考えると…
 私がこれまで直接聞いた体験談(単独の業務内容)でもっともひどいと思ったのは入試問題の作成を手伝わされたというものです。最初聞いた時は耳を疑いましたが,これ,そんなに珍しくない話なんでしょうか。

追記(2018/01/12)

 同じ記事に対して松浦年男さんが書いた記事です。
researchmap.jp
なんかResearchmapの記事って話題になりにくいような印象があるのですけれど,なんででしょうね。
 ついでに私が書いた他の関連しそうな記事もはっておきます。
dlit.hatenablog.com
dlit.hatenablog.com

kindleの入門書フェアで『はじめての言語学』をはじめ言語学関連も何冊か30%オフ(1/11(木)まで)

 もう少し早く気付いていれば…
 kindleの入門書フェア(30%オフ)が開催中で,言語学・日本語学関連のものもいくつか良いものが出ていました。
www.amazon.co.jp
※いちおうそれぞれのリンクをはってありますが,購入の際は今一度値段を確認することをおすすめします。

おすすめ

 私個人のおすすめで,すぐに購入したのは以下のもの(紙のものはすでに持っている)。

言語学入門入門

はじめての言語学 (講談社現代新書)

はじめての言語学 (講談社現代新書)

かなり前におすすめする記事を書きました。
d.hatena.ne.jp
下記のような指摘もあるのですが,
私としては,やはり貴重な「言語学入門の入門」として良い本だと思います。

敬語入門

敬語再入門 (講談社学術文庫)

敬語再入門 (講談社学術文庫)

 日本語の敬語のシステムがそんなに単純なものではないということを,具体例を通して把握することができる良い本だと思います。日本語学的な解説だけでなく,身近な敬語周りの話題(「させていただく」の話とか)や実践的な話題にも具体的に言及しています。

その他購入したもの

 私にとって買って間違いはないというところまでの判断はできますが,まだ詳しく読み込んでいないのでおすすめとまではいかないものです。どちらも気になっていたので,良い機会でした。

日本人のための日本語文法入門 (講談社現代新書)

日本人のための日本語文法入門 (講談社現代新書)

言語関連以外

 言語学・日本語学以外ですぐ購入したのは下記のものです。

演劇入門 (講談社現代新書)

演劇入門 (講談社現代新書)

構造主義には言語学も関わってきますし,平田オリザ氏は言語やコミュニケーション,日本語教育関連の活動・著作もあるので,私の中ではやはり言語学・日本語学に関わるという感覚があるんですけどね。

迷っているもの

 下記のものは購入を迷っています。識者の方々,いかがでしょう。

アイヌ学入門 (講談社現代新書)

アイヌ学入門 (講談社現代新書)

分析哲学入門 (講談社選書メチエ)

分析哲学入門 (講談社選書メチエ)

まったく意外なことに子育てに役立っているガジェット関係3つ

はじめに

 なんか子育ての話題が続いてますね。
 さて,この記事では1歳〜2歳の子育て時に,購入する時にはまったく考えていなかった形で役立ったもの3つについて書きます。
 ただ,子育ての環境・状況ってほんとに千差万別ですし,こどもによるとしか言えないこともあるので,お役立ち記事ではなく「そんなこともあるんだね」ぐらいの感じで読んでいただければ。
 あと書いてみたら単に私が事前に気づけなかっただけという気がしてきました。

Fitbit Blaze

 スマートウォッチ,なんでしょうか。

 一応Fitbitのサイトでは「スマートフィットネスウオッチ」となっていますが,Apple WatchAndroid Wear系に比べると機能は少ないので,感覚としては「スマートウオッチに近い活動量計」あるいは「機能が制限されたスマートウォッチ」という感じがします。
 さて,子育て関係で何が便利だったかというと,スマホに届いた通知を確認できることです。特にLINE。
 別にLINEなければならないというわけではないのですが,子育てでは,こどもに関する情報をパートナーとテキストや画像で一元的にやりとりできるというのはほんとうに便利です(余談ですが,他人を見て子育て中にスマホなんていじりやがってとイラッときたときは,もしかしたらこどもの病気の情報や様子についてパートナーとやりとりしてるのかも,などと考えてみるといいかもしれません)。
 ただ,保育園のお迎えの時なんかはこどもを抱っこして,保育園の荷物と自分の仕事の荷物を持って…という感じでとてもスマホを取り出して操作できる余裕がないことも多いです。スマホを操作していると触ろうとしたりしてそっちの攻防も大変だったり。でも時に重要な連絡もある。
 そんな時にスマートウォッチだと,腕を動かす,ちょっとしたボタンやタッチ操作で通知が確認できるのはかなり便利です。表示される文字数に制限はありますが,冒頭が確認できればだいたい重要かどうかは判断できるので問題ありません。
 他の状況としては,ワンオペ寝かしつけ中(消灯済み)の通知の確認も便利でした。スマホの画面付けちゃうと気付かれて起こしちゃったりなんてことにもなりかねませんので。ただ,さいきんではどうもスマートウォッチ自体気になるようでうまく隠すか外さないといけなくなってきましたけどね…
 他にも,料理でやっぱり手が塞がってるときとか。料理の時はタイマーとしても使ってます(これはキッチンタイマーがあればすむ話ですが)。
dlit.hatenablog.com
 Apple Watchなどのように,声で操作できるともっと便利なんでしょうね。Fitbit Blazeにしたのはスマートウォッチのお試しという意味もあったのですが,次はもっといろいろできるやつにしようと思うようになりました。
 子育て以外だと,「学会の会場校担当教員になると簡単に1日で2万歩達成できる」ことが分かったりします。

モバイルバッテリー

 家にこどもと一緒にいて,特にワンオペになると(年齢にもよるのでしょうけれど)こどもからなかなか目を離せませんし,特に平日の帰宅後なんかはやること盛りだくさんなので,スマホに充電ケーブルを挿す余裕すらなかったりします。充電できたらできたで,こんどはそこから動かせなくなっちゃいますね。
 各部屋に充電設備を用意しておけば良いのでしょうけれど,モバイルバッテリーで充電すると,充電中も家の中のいろんなところに持って行けて意外と便利です。
 あと,うちだと寝かしつけの時に使うライトの充電もUSBでやるので,その充電でも意外と活躍しています。
 こまめにいろいろ充電できるのがいちばん良いのでしょうけれど,やっぱり忘れることもありますし,なかなか予期せぬ事態もありますので(寝かしつけが思ったより長引くとか)。
 ちなみに,私がたまにモバイルバッテリーを買う人間なので,過去に買ったものの再利用でじゅうぶん役に立っています。家の中で持ち運ぶので,多少重くても容量の大きいものがこまめに充電する必要がなくて便利な気がします。うちで今主に使ってるのは下記の2つです。

スマホリング

 どうしてもしばらくじっとしてもらいたい時とかに,スマホで動画を見せることがあります。
 でもやっぱりおもしろいので,消してもなかなか見るのをやめたがらないのですよね。iPhoneiPadのホームボタンを押す動作はかなり早く習得してしまいましたし,さいきん「もういっかい」が言えるようになってきて…
 私のメインのスマホXperia XZで,もともとはお試しとしていわゆるスマホリングを使っていたのですが,こどもがなんとかスリープから復帰させようとしてスマホをいじっているうちにスマホリングに気を取られ,リングをいろいろいじっているうちに落ち着く,という現象にだいぶ助けられています
 私が使っているのは以下のものですが,リング部分を起こすのも楽しいようなので,折りたためるやつなのがさらに良かったのかもしれません。

 スマホの画面が点灯してしまったり,もう一度動画を見せたりすると次のやめるタイミングまでかなり時間がかかりますが,リングだと構造がシンプルなためかそれほどいじるのが長引かないのですよね。あと,元と同じ状態にできたらそこで満足したり。

おわりに

 スマホリングはかなりこどもによるケースだと思いますし,そのためにリングを買うってのはおすすめできませんが,スマートウォッチとモバイルバッテリーは合う人にはけっこう良い道具になる可能性が高いと思いますので,気になる方は試してみてはいかがでしょうか。